元国立大学法人職員の通訳・翻訳道!

約8年国立大学法人で事務職員として勤務した後に、英語通訳・翻訳者にキャリアチェンジしました。日々、修行中・・・。お仕事のこと、日々の勉強、翻訳など不定期に更新しています。Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.

ブログお引越しします

はてなブログさんで2年くらい細々とブログをかいていましたが、お引越しすることにしました。

 

新しいブログはこちらです。

前の記事も残しています。

 

english-interpreter-mom.com

 

もしよろしければご覧ください。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

 

 

自分がやっている通訳トレーニング

最近、嬉しいことがありました。 

地球の片隅に埋もれまくっている拙ブログ(←っていうのかな)を、ツウ@英語学習のお悩み解決ブロガー@tsukun777様にご紹介いただいたんです。

 

 

その後、ブログへのアクセス数が一時的に爆上がりしていて、インフルエンサーの皆様の影響力(だからインフルエンサーっていうんですね!)を実感しました(^^;)

ありがとうございます!

 

その後、英語学習にも役立つ通訳トレーニングについて質問をいただいたのでTwitterで返信しようと思ったのですが、あまりにも長くなりそうだったので記事にしました。

 

リテンション

スピーチを聞いて瞬時に記憶する能力を鍛えるトレーニングです。

英語を1回聞いて、20ワードくらいであれば冠詞・前置詞も含めて完璧に同じ文章を繰り返し言えるのがプロの目安と通訳学校で習ったことがあります。

 

オリジナルで、

When I was a child, I always thought, "I wish I were a bird."

という文を聞いたら、同じ文章をそっくりそのまま瞬時に繰り返せるのが理想です。

 

When I was a kid, I wanted to be a bird.

と言っても大意は変わりませんが、kidではなくchild, wanted以下もオリジナルどおりに言えるのがよいとされます。

ちなみにこの例文は14ワードなので、もう少し頑張れるといいですね。

 

私は、音声読み上げ機能があるオンライン英英辞書やスクリプト付きのニュースオーディオと録音アプリを使って勉強しています。


Collins、Longmanなど無料の英英辞書には、例文の読み上げ機能があります。

例文を耳で聞き、適当な録音アプリ(私はAudacityを使っています)で自分の音声を録音します。

録音を例文と付き合わせて確認し、間違えたところは意味が取れなかったのか、文法を間違えたのかを簡単に分析します。

www.collinsdictionary.com

 

少し時間があるときは、Youtubeや各種ニュースサイトでスクリプトのあるニュースオーディオや動画を見て同じように練習しています。

Microsoft Edgeには音声読み上げ機能もあるので、ニューススクリプトだけでも練習できます。

 

同時通訳では、スピーカーの発言をいきなり訳さずに脳内に数秒間貯め、前後の文脈と調整してから訳を出すことも多いので、リテンションは非常に重要だと思います。

 

ただ、英語学習という点でもこの練習は役立つと思っています。

リテンションを訓練することで

・一度聴いて正確に理解する習慣が付く

・自分の発言を録音して原文と照らし合わせることで、文法的なミスや原文の自然な表現を身につけることができる

 

からです。

早口のニュースだと難しい場合は、辞書の読み上げ機能から始めるのがよいかもしれません。

あと、DMMの「Daily News」にはわりと平易な例文が多く、読み上げる機能もあるのでよいと思います。(会員でなくても見られます)

 

思いのほか長くなってしまったので続きます・・・。

元国立大学法人職員、出戻る

私は以前、地元の大学で職員として働いていました。

(出身大学ではありません)

大学で働くようになった、辞めることになった経緯については下のリンクに書かれています。

興味があればご笑覧ください(ないか(^^;))

note.com

 

ちなみに、このブログのタイトルも「元国立大学法人職員」となっていますが、なぜそこをあえて書いているかというと、

・なんかイケてるイメージだから

・それだけで英語バッチリな感じだから

・高給取りっぽいから

 

・・・なわけないですよね・・・。

というか、どちらかといえば「そんな職業あるんだ」カテゴリーですよね。

大した理由は全くなく、「とにかく他の人に覚えていただきたかった」それだけです(^^;)

 

というのも、前職を退職し、これという経歴もなく大した実力も持たず通翻訳界に飛び込み、まず自分という存在の小ささを痛いほど感じました。

エージェントに登録しても音沙汰はなく、打診があっても仮押さえのまま担当の方に忘れられていたり。。。

 

何か覚えてもらうきっかけがほしいなぁと思い、書くようになりましたが効果はよくわかりません。

 

とにもかくにも「元国立大学法人職員」として歩んできましたが、今年からまた元職場にお世話になることになりました。

・・・このブログタイトル変えないといけないかなぁ~

 

とはいっても事務のお仕事ではなく、英語の研究論文をチェックする仕事をしばらく担当する予定です。

しかも在宅勤務で週2回だけなので、あまり生活に変化はないのですが、内容がとにかく難しく苦戦しています。

 

まだまだ時間がかかりすぎて戦力になれていませんが、早くささっと読めるようになって将来的には通訳・翻訳の得意分野にできるといいなぁと思っています。

あ~がんばろう・・・。

Courseraを聴講する

あ、年が明けた・・・。

あけましておめでとうございます。

正直、年末年始も休んでいないので何の感慨もないですが、いい年になるといいなぁ。

 

仕事でサイエンス関係の英語論文を読む必要が出てきたのですが、サイエンスも英語論文もぜんっぜん分かりません・・・(じゃあなんでやるんだろう)

何かせねば・・・ということで、急遽Courseraで探したアカデミックライティングの講座を聴講することにしました。

 

年末から聴講し始め、昨日動画をだいたい見終わりました。

(オプションの実践演習やテストは飛ばしているので、メインの講義部分を聴講しました)

 

Courseraはオンラインの講義を提供するプラットフォームで、世界中の大学やGoogleなどの企業が提供する講座を受講できます。

聴講だけであれば無料で受講できる講座が多数ありました。

ただ、専門科目など有料の講座もあります。

また無料の講座も修了証を出してもらう場合は、別途料金が必要みたいです。

修了証があると、LinkedInなどでスキルをアピールできてよいかもしれませんね。

www.coursera.org

 

 

 

今回、私が受けたのはスタンフォード大学が提供しているWriting in the Sciencesという、科学論文を書いた経験があまりない人向けの基本講座です(無料!)。

Courseraを受講したのも初めてですが、結論から言うとめちゃくちゃよかったです。

 

ライティングの授業で何度も強調されていたのが、

・余計な語を削る

・平易な言葉で分かりやすく書くこと

・能動態で書く(ただし、受動態の方が適切なこともある)

 

というアドバイスです。

論文って、賢そうな難しい言葉や言い回しを使うものなんかなと思っていましたが、そういう論文はその分野の専門家が読んでも分かりにくく、嫌がられるそうです。

ライティングの講義部分は、論文を書かない人にも役立つことが多いのではないかと思います。

実際の文例を直していく様子などもたくさん見て自分でも練習できるので、非常に勉強になりました。

 

また、ライティングのいろはだけではなく、どのような手順で論文の準備をするか、どのパートから書いた方がよいのか、といった具体的な書き方から、インタビューを受けたときの対応方法や推薦状の書き方、ジャーナル投稿や研究費申請のコツ、SNSの活用方法まで指南してくれていて本当に感動しました。

 

インタビューのコツは、とにかく事前に質問内容を想定して何度も練習することだそうです。

また、記者さんが聞き間違えないようにキーフレーズはゆっくり話し、メモをとるのを確認してから次に進む、といった具体的なアドバイスもありました。

頭のよい方たちも入念に準備してインタビューを受けてるんですね~

 

ジャーナル投稿では、とにかく最初にガイドラインちゃんと読め!と繰り返し言われていて、それだけ基本ができていない人も多いんだろうなぁと思ったり(^^;)

これは翻訳も一緒かも・・・。

 

正直、研究者や学生さん以外そこまで見る必要はないかもしれませんが、学術関係で身を立てたい人は必須なんじゃないかなぁ。

日本の大学ってここまで教えてくれるのかなぁ~

 

全部見ると結構長い動画でしたが、細かく区切ってくれているので少しずつ何回も見直したいと思います。

てか、このクオリティで無料はありえない!

英文ライティングやプレインイングリッシュに興味がある方にもおすすめです。

2020年が終わる・・・

あ、年末だ・・・。

 

備忘として今年を振り返ると、予定しなかった仕事が多くあり、やたらと忙しい年だったと思います。

 

2020年はプライベートで一大イベントを予定しており、しばらく仕事どころではなくなりそうだったので、年初からスケジュールを詰めないようにしていました。

が、その予定があっさりとなくなってしまい、どうしようかなと思っていたところで日本会議通訳者協会(JACI)をお手伝いすることになりました。

あのタイミングじゃなかったらとても(こわくて)引き受けられなかっただろうな~・・・。

 

日本通訳翻訳フォーラム2020で、講演者や参加者の方とバーチャルな環境で交流できたのもよい思い出です。

細々と「翻訳」の看板を掲げ始めた2年前に通翻訳界の知り合いはほとんどおらず、情報はひたすら諸先輩方のサイトやそこに紹介されていた文献で収集していました。

 

人に頼るような世界ではない、とイキって(勘違いして)フリーランスになり、一匹狼で一生やっていく覚悟でしたが、今では一緒に勉強したり情報交換したりできる仲間に恵まれ、本当にありがたいなぁと思っています。

 

結局かなり忙しい一年でしたが、肝心の稼ぎの方は・・・来年に期待します(涙)

もう今年は、今生きているだけで十分じゃないかと個人的には思っています(←いいわけ)

 

年明けから新しいお仕事も始める予定なので、また新たな気持ちでがんばりたいと思います。

 

今年も大変お世話になりました!

よいお年をお迎えください。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

通訳 VS 翻訳(パート2)

最近、通訳だけでなく翻訳も講座やセミナーなどで勉強するようになったのですが、メンタルの持ちようがこの二つでは違うのかなぁと最近感じています。

 

通訳は、現場に出ればどんなに自信がなくてもそんな様子はまったく見せず、「あたし最強」オーラやフェロモン?を出して自分の脳も(時には)騙さないとやってられない仕事だと思っています。

 

お客様の前では見栄を張らなければ、ということではなく、そうでもしないと怖くて訳が口に出せないからです。

(もちろん、不安そうにビクビクしている通訳者を見てお客様がどう思われるか、というのも重要だと思いますが・・・(^^;))

 

基本的に、通訳は相手が言ったことをその場で訳します。

そして、発言が終わったら聴衆の皆さんが通訳が口を開くのを今か今かと待っています。

同時通訳だと、数秒レベルのタイムラグで訳し始めないとどんどん遅れて迷子になってしまいます。

 

辞書を引く時間も余裕もないですし、「ハァ?なんてぇ?もう一回~」とか気軽に聞けるわけでもありません。

基本的に頼りになるのは自分だけなので、その自分が信頼できないと味方はゼロです。

 

・・・というわけで、通訳の前は「私デキる通訳じゃね!?」と言い聞かせるようにしています(実態については割愛)。

 

ただ、翻訳はそのメンタリティで取りかかると、痛い目を見るような気がします。

というのも、翻訳は背景知識を丹念に調べつつ一語一句、冠詞や前置詞にも細心の注意を払い、原文をねじ曲げないようにする必要があるからです。

 

↓この絵、ご存じの方が多いと思いますが、いわゆる「だまし絵」というもので見方によって「若い女性の顔」と「おばあさんの顔」の2種類があります。

 

f:id:translator_interpreter:20201129202529p:plain

(出典)

何かおかしい?!頭が混乱するだまし絵・錯視画像集 | ailovei

 

翻訳は、この「だまし絵」が多いなぁと最近実感しています。

ただ、このだまし絵はどちらに見えても正解なのですが、翻訳には正しい解釈があり、見方を誤るとそれは「誤訳」と呼ばれます。

 

このofは何にかかっているのか、ゴミみたいに見えるカンマやダッシュは何を伝えているのか、なぜ定冠詞ではなく不定冠詞なのか、など細か~~~いところまできちんと見ないと本来見えてくるはずの絵柄が見えてこず、思い込みで「おねえさんだぁ~♪」と突っ走ってしまい後で恥ずかしい思いをします。

 

今日、高橋さきのさん、岩坂彰さん、井口耕二さんのセミナーに参加させていただきましたが、井口さん曰く、

「自分の訳文は可能な限り意地悪に読む」ことが大事だそうです。

 

徹底的に自分の訳文を疑ってかからないと真実にたどり着けないんですね~・・・。

通訳の現場とは自分との向き合い方が違うのかなぁ~と思った次第です。

 

あ、ただ、もちろん通訳も「私最強」メンタリティのまま仕事終了後に突っ走り続けると、おそらく何かに激突するか、変な溝にはまり込むと思います(^^;)

 

現場では「自分アゲ」しまくったとしても、その分後の「一人反省会」が大事と思います。

とあるベテランの通訳者さんは、現場では可能な限り録音し、帰宅後聞き直して反省して訳し直す、という作業を地道に続けられているそうです。

 

まぁ、何をやるにしても改善する作業は必要ですよね(そりゃそうか)。

はぁ~精進しよう~

 

 

 

 

一所懸命になると・・・

自分が始める前まで、通訳者や翻訳者の方は曇りなき心でオリジナルをいとも簡単に理解し、何の迷いもなく訳しているのだろうと思っていました。

 

だからこそ、そういう風になりたいと思って勉強を始めたのかも知れません。

しかし、お仕事として通訳、翻訳をさせていただくようになっても、これはちょろい、と思える仕事は一回もなかったと思います。

 

また、通訳・翻訳の講座も受け、自分でも教材を見つけて練習していますが、めちゃくちゃ上手な人の訳を聞いて感銘を受けると同時に、あまりの実力の差に愕然とすることもしょっちゅうあります。

周りの人は皆できている(私にはそう思える)のに自分だけできず、いたたまれない気持ちになったことも何度もあります(涙)

 

自分の能力不足を認めたくないがために、「あの人は帰国子女で恵まれた環境にいたから」とか「私は九州の田舎者でよい環境やチャンスがなかっただけだから」と「自分ができなくても仕方がない理由」を心の中で探したことも一度や二度ではありません(ごめんなさい)。

 

・・・でも、そんなことしてもなんにもならないんですよね~・・・。

 

お客様にとっては、求めるクオリティの仕事が現場でできるかどうかが問題で、私が田舎者だろうとそんなことはどうでもいいんです。

 

何より、誰に強制されるわけでもなく、求められたわけでもないのに、この道を選んだのは自分自身です。

あれこれ言い訳を考えるくらいなら辞めようと常々自分に言い聞かせています。

(言い聞かせるほどその誘惑は大きい)

 

実家のトイレに相田みつをさんの日めくりカレンダーがあるのですが、その中に

 

なまけると こころがむなしい

一所懸命になると 自分の非力がよくわかる

 

という言葉があります。

ここ数年、自分の非力を感じない日はほとんどありませんが、それだけ今は一生懸命生きているのかなぁとも思います。

 

日々四苦八苦しつつも、少しずつ前に進めるといいなと思います。