元国立大学法人職員の通訳・翻訳道!

約8年国立大学法人で事務職員として勤務した後に、英語通訳・翻訳者にキャリアチェンジしました。日々、修行中・・・。お仕事のこと、日々の勉強、翻訳など不定期に更新しています。Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.

JACIセミナーでの学び

前回の記事でも書きましたが、日本会議通訳者協会(JACI)では現在Zoomを使った遠隔講義を精力的に開催されています。 

 

通訳界の第一線で活躍されている諸先輩方の豪華セミナーなので、少し無理してでもできる限り参加するようにしています。

 

今日は、通訳者の営業とブランディング構築を考えるセミナーでした。

その中で、「正確性は差別化できない」というお話がありました。

お客様からしたら、92点と95点の訳の違いは分からない、ということです。

そりゃそうですよね。正確に分かるなら通訳は要らないと思います(汗)

 

通訳者が2人いて、お客様的にどちらも同じくらいうまい、と思われても、次に自分が呼ばれるとは限りません。

私自身、スピーカーにもお客様にもお褒めいただいたけれど、その後お呼びがかからない、という苦い経験をしたこともあります。

 

私もそうですが、通訳者・翻訳者はひたすら「訳質の高さ」にこだわりがちです。

もちろん、提供するサービスは「訳」なので当然ですが、その渾身の訳は果たしてお客様が望んでいるものなのか、独りよがりの訳になっていないか、訳は良くても他の面(依頼に対する返事の早さ、現場での態度など)で嫌な思いをさせていないか、または影が薄くて忘れられていないか、振り返って考えないとなぁと思いました。

 

翻訳も通訳もいわゆる「レッドオーシャン」つまり供給過多、やりたい人が需要を大幅に上回っていて競争がめちゃくちゃ激しい業界です。

その中で、お客様に自分の存在を覚えてもらうのは本当に難しいと日々感じています。

単によい訳ができるだけではだめで、○○だったらこの人、と覚えてもらえるような「売り」は必須で、実際に活躍されている通訳者さんはその努力を怠らないんだなぁとしみじみ思いました。

 

活躍されている通訳者は、スキルが高いだけではなく「サービス業」としての通訳という視点をお持ちだと一連のセミナーで感じました。

活躍する通訳者=高いスキル+αといった感じでしょうか。

 

自分は、何も考えずに口を開けて仕事が来るのを待っていたなぁと猛省しています(汗)

なんというか、「努力すれば、きっと誰か見ていてくれる」といった日本人的な「待ち」の思考停止に陥っていたと実感しました。

 

もっと能動的に行動しないとなぁ、と思う今日この頃です。