通訳・翻訳は消える職業なのか
ドラえもんの「ほんやくこんにゃく」を見て育った世代からすると、この疑問はものすごくよく分かります。
この質問に関しては、自分なりの明確な答えがあるので最初にお答えします。
「わかりません」
・・・だってわかんないんだもん。。。
ちなみに、「通訳・翻訳は消える職業だから辞めますか?」という質問をされたら、
「とりあえずNo。実際になくなるか、自分が市場から放逐されればそのとき考える」
と答えます。
今更どうしてこんなことを書いているかというと、先日、受講しているグリンズアカデミーでふと、この話題が出たからです。
たとえ市場が多少崩壊しても、ピラミッドの頂点で最後の最後まで残り続けるだろうなと思うような猛者がわんさかといるのですが、そんな方々でもやはり、そういうことを時には考えるんだなぁと妙にしみじみ思いました。
AIで消える仕事の代表格のように世間から思われている通訳・翻訳稼業ですが、やはりその影響は受けていると思います。
特に翻訳では、機械翻訳が実際に導入されているエージェントも多く、機械翻訳様のつくった訳文をチェックして直すというポスト・エディットなる職ができているのです。
通訳も、欧州言語間などの割と似ているものは通訳アプリなどでけっこういける、という話も聞いたことがあります。
日本語は特殊なこともあってか今のところビジネスで実装できるほどの技術はないようですが、まあ、時間の問題なのかもしれません。
また、日本でも若い世代を中心に英語ができる(少なくとも英語アレルギーがない)人が増えているので、ある程度自分たちでコミュニケーションが取れる、とお客様が思えば私たちが呼ばれることもなくなるでしょう。
(個人的には、AIうんぬんよりもこっちのほうが脅威だと思っています)
では、この斜陽とも思える業界を憂い、行く末を悩んでいるかと言うと、自分はそうでもない気がします。
もちろん、話題に出れば人並みに不安にもなりますが、じゃあ辞めるかと言われれば、そうでもありません。
むしろ、「一生安泰」の代名詞のような安定した仕事についていたときのほうが、何かと将来を憂えていたような気がします。
安定した仕事を辞めると決めたとき、どうなるか分からないけれど、これ以上はできない、と思うくらいの努力はしようと自分に誓いました。
それから2年が経ちましたが、うまくいったことも、うまくいかなかったこともあります。また、うまくいっていたのに家庭の事情その他でうまくいかなくなったことも残念ながらあります。
ただ、後悔していることはないかなぁと思います。
自分よりも実力のある人は海ほども山ほどもいますし、自分よりも努力している人もごまんといると思います。
それでも、今の自分にできるベストは限りなく尽くしているかなと思っています。
(尽くせない日もありますがw)
基本的にネガティブな性格なので、こんだけがんばっているのだからうまくいくに違いない、とはあまり思えないのですが、これだけやってだめなら仕方がないなぁとは思っています。
将来、いろんな事情で自分がお払い箱になる日が来るのかもしれませんが、多分悲しいとも辛いとも思わず、「あ、そう、じゃあ今までお世話になりました」と思えるような気がしています。
まぁ、実際にはきれいに割り切れるわけでもなく、自分の実力のなさに落ち込んだり、もうダメだと思うことも多々あるのですが。
落ち込んでも、また起き上がろうと思う気持ちがある間は、現状維持でがんばろうと思います。