一所懸命になると・・・
自分が始める前まで、通訳者や翻訳者の方は曇りなき心でオリジナルをいとも簡単に理解し、何の迷いもなく訳しているのだろうと思っていました。
だからこそ、そういう風になりたいと思って勉強を始めたのかも知れません。
しかし、お仕事として通訳、翻訳をさせていただくようになっても、これはちょろい、と思える仕事は一回もなかったと思います。
また、通訳・翻訳の講座も受け、自分でも教材を見つけて練習していますが、めちゃくちゃ上手な人の訳を聞いて感銘を受けると同時に、あまりの実力の差に愕然とすることもしょっちゅうあります。
周りの人は皆できている(私にはそう思える)のに自分だけできず、いたたまれない気持ちになったことも何度もあります(涙)
自分の能力不足を認めたくないがために、「あの人は帰国子女で恵まれた環境にいたから」とか「私は九州の田舎者でよい環境やチャンスがなかっただけだから」と「自分ができなくても仕方がない理由」を心の中で探したことも一度や二度ではありません(ごめんなさい)。
・・・でも、そんなことしてもなんにもならないんですよね~・・・。
お客様にとっては、求めるクオリティの仕事が現場でできるかどうかが問題で、私が田舎者だろうとそんなことはどうでもいいんです。
何より、誰に強制されるわけでもなく、求められたわけでもないのに、この道を選んだのは自分自身です。
あれこれ言い訳を考えるくらいなら辞めようと常々自分に言い聞かせています。
(言い聞かせるほどその誘惑は大きい)
実家のトイレに相田みつをさんの日めくりカレンダーがあるのですが、その中に
なまけると こころがむなしい
一所懸命になると 自分の非力がよくわかる
という言葉があります。
ここ数年、自分の非力を感じない日はほとんどありませんが、それだけ今は一生懸命生きているのかなぁとも思います。
日々四苦八苦しつつも、少しずつ前に進めるといいなと思います。