元国立大学法人職員の通訳・翻訳道!

約8年国立大学法人で事務職員として勤務した後に、英語通訳・翻訳者にキャリアチェンジしました。日々、修行中・・・。お仕事のこと、日々の勉強、翻訳など不定期に更新しています。Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.

英字新聞を使った日英サイトラ練習

通訳の訓練として、よくサイトトランスレーション(通称サイトラ)という練習が取り上げられます。

これは、文章を読みながら訳していく練習法で同時通訳の基礎訓練にもなります。

 

ポイントは、原文の語順のとおりに訳すことです。

例えば、以下の文章を訳すとします。

My father suggested me to become a doctor.

 

これを意味の塊で分けると

1. My father suggested me

2. to become a doctor

となり、学校では下記のように2を1の前に訳すと習うことが多かったのではないかと思います。

父は、医師になるよう私に勧めた。

 

しかし、これを以下のように原文の語順どおりに訳すこともできます。

父が私に勧めたのは医師になることだった。

 

後ろから訳した方が日本語として自然で滑らかなことも多いのですが、聞こえるそばから訳していく同時通訳では前半の内容を記憶する必要が生じ、通訳者の負担が増えます。

そのため、文章を読みながら、読んだ順に訳していくサイトラが同時通訳の練習として効果的と言われています。

 

これを続けると聞こえた順に英語が理解できるようになり、自然とリスニング能力も向上するので、通訳を勉強する人以外にもお勧めの練習方法です。

 

私が日→英サイトラの練習に使っている素材は、The Japan Newsという読売新聞の英字版です。

https://the-japan-news.com/news/editorial

 

購読・読者登録等しなくても社説の英訳と日本語の原文が上記サイトで閲覧できます。

まず日本語の社説を見ながら英語にサイトラをし、後で英訳をチェックして知らない表現や単語をエクセルにまとめています。

 

ただ漫然と英語を読むよりも、一度自分でサイトラしてから英訳を見る方が学習効果が格段に高まります。

また、社説は旬な話題を扱っているので時事英語も勉強できます。

 

ただし、この英訳はサイトラの模範例ではなくあくまで翻訳なので、必ずしも同通で再現できる語順の文構造にはなっていないのが弱点です。

それでも十分勉強になりますし、翻訳や逐次通訳の練習用であれば文構造も含めて大いに参考になると思います。

 

お金もかからないのでお勧めです。

ぜひやってみてください。