元国立大学法人職員の通訳・翻訳道!

約8年国立大学法人で事務職員として勤務した後に、英語通訳・翻訳者にキャリアチェンジしました。日々、修行中・・・。お仕事のこと、日々の勉強、翻訳など不定期に更新しています。Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.

現場での学び

先日、講演会の逐次通訳を担当させていただきました。

ありがたいことに、以前からお世話になっていた方のご紹介でいただいたお仕事です。

 

今回は、わりと急な依頼で諸事情により事前に講演資料がいただけず、英語ネイティブではない講演者が英語で講演をされるとのこと。

・・・けっこう大変、かな?

 

事前に講義スライドなどはいただけないものの、以前同じ方が講演を行った際の動画をいただくことができました。

これをもとに、以下の準備を行いました。

 

・講義動画をメモ取りしながら逐次通訳

1回目で講義の分野内容を確認し、これを2~3回繰り返してひたすら練習しました。

また、家事をしながら動画を聞き、スピーカーの話し方にできるだけ慣れるよう心がけました。

そして、講義内の頻出語句・聞き取りづらい口癖などを単語帳にまとめ、メモ取りに使う略語やシンボルを事前に決めておきました。

 

・講演者の論文・SNSチェック

講演者の論文を有料のものも含めて入手して読み込み、訳に詰まりそうな単語をまとめました。

また、SNSもストーカーのようにチェックして、関心のあること、最近の動向についても頭にたたき込みました。

 

・ウェブで見つけた他の動画チェック

他の講演もウェブで確認できたため、ざっと見て話し方や速さなどを再度確認しました。

 

結果的には、上記の準備がかなり役に立ったと思います。

本番当日にふと思い出してSNSをチェックすると、ちょうど更新されていてその内容について実際に講義で話されていたため、直前の動向は特に要注意です。

 

今回は、なんとか打ち合わせ時間を確保いただき、講義概要を直接伺うことができました。

ただ、当然すべての内容を本番のとおり話してもらえるわけではありません。

打ち合わせは、話の流れを押さえ、講演者が伝えたいメッセージをしっかり伝えるための最終準備だと思います。

この講演者は何を言いたいのか?ということに常に頭に置きながら訳出できるとメリハリのきいた通訳ができるようになると思います(反省も含め)。

 

また、尊敬する通訳者の先輩は、なるべくスピーカーと事前に雑談をすることで信頼関係を築けるように心がけているそうです。

 

私も試しに、打ち合わせが終わった後に少し話しかけてみました。

すると、打ち合わせでは話されなかったエピソードや詳細情報を話してくださり、実際に講演でも同じ話をされたので本当に助かりました。

何よりも、勘違いかもしれませんがなんとなく講演者の方と距離が縮まったような感覚があり、自分自身が落ち着けたような気がします。

 

ここまで書くと、さも大成功だったような感じですが、実際はそれほど甘くはなくいろいろ大変でした。。。

長くなったので、それについては次の記事に書きたいと思います。