元国立大学法人職員の通訳・翻訳道!

約8年国立大学法人で事務職員として勤務した後に、英語通訳・翻訳者にキャリアチェンジしました。日々、修行中・・・。お仕事のこと、日々の勉強、翻訳など不定期に更新しています。Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.

現場での学び(2)

前回の続きです。

 

今回、一番大変だったのは

・かなり早口だったこと

・大量のスライドを一気にさばかないといけなかったこと

 

でした。

というのも、講演者が同時通訳だと思っていたらしく講義スライドを400枚も準備されていたからです。

同時通訳だと講演者は持ち時間をすべて使って話せますが、逐次通訳だと通訳が話す時間が入るので約半分の時間しか話ができないのです。

 

急きょ一部スライドを割愛されましたが、それでも準備していたスライドの半分になることはなく、結果かなりのスピードで鬼のようにスライドを進めながら話されました。

 

通訳が入るまでにスライドが複数枚変わることも多く、その分自分のメモや記憶に頼る必要があり、かなりの集中力を要しました。

 

また、予想以上に集中したためか、開始早々に急激にお腹が減ってしまい、最後の方はフラフラでした。

直前にチョコか何か食べておけば良かったなぁと思いましたが、どうしようもなく気合いで乗り切るしかありませんでした。

 

途中で水を飲むヒマもないほど忙しい通訳でしたが、念のため小さなジュースを持っていたら糖分補給ができて良かったかもしれません。。。

次は、小さなパック入りジュースを持っていこうかな。

 

一番身に染みた教訓は、通訳者だけでなく講演者も必死だということです。

今回は、通訳を使い慣れている講演者で通訳にも協力的で優しく、本当に助かりました。

しかし、図らずも講演の持ち時間がかなり削られることになってしまったため、いざ本番が始まると、速く訳して!という無言の圧力というか目力をものすごーく感じました。

 

通訳がもたつくと、それだけで講演者の持ち時間だけでなく精神面にもダメージを与えかねません。

当たり前の事ですが、舞台の主役は講演者で、人目にさらされる不安やプレッシャーと戦いながら演台に立っています。

通訳者は、良き黒子として講演者を支える必要があると実感しました。

 

良き黒子となるために訳の正確さ・分かりやすさはもちろん重要ですが、講演者が気持ちよく話せるようにリズム良く、テニスのラリーのように良い返球をするのも同じくらい重要ではと思いました。

 

いろいろ反省点はありますが、昨日より今日、今日より明日はよい通訳ができるように今回の学びを生かし、練習を続けたいと思います。