元国立大学法人職員の通訳・翻訳道!

約8年国立大学法人で事務職員として勤務した後に、英語通訳・翻訳者にキャリアチェンジしました。日々、修行中・・・。お仕事のこと、日々の勉強、翻訳など不定期に更新しています。Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.

DMM英会話活用法(2)

前回の続きです。

 

(4)レーティングだけで講師を決めない

DMMでは講師を指定できます。

講師の多くはフィリピンの方で、その他にもヨーロッパ・アフリカなどの方がいらっしゃいます。

(ネイティブの先生も結構いますが、ネイティブ講師は別の料金設定です)

毎回の授業で生徒が講師を評価し、各講師のレーティングが表示されています。

 

最初はよく分からず適当にレーティングが高い人を予約していましたが、今は非英語圏の方の英語に慣れるため、またいろいろな状況に対応できる通訳になるために、できる限りいろいろな国、地域の講師から広く選ぶことを優先しています。

 

英語以外の言語専門だと、その言語を母語とする方に対応する通訳案件ばかりらしいのですが、英語を専門とする通訳は非英語圏の方が話す英語を通訳することが頻繁にあります。

 

特に、地方都市に住んでいると英語以外の言語の通訳者を探すのが大変なのか、私に来る仕事も非英語圏の方の通訳案件が多い印象があります。

 

そのため、非英語圏の講師と英語で話せるのはアクセントに慣れ、その国独特の英語の使い方を理解するという意味で仕事にも役立ちます。

これまでフィリピン、ガーナ、セルビア、ジャマイカの講師に担当していただきましたが、やはりそれぞれに話し方の癖などがあり勉強になりました。

 

これからは、なまりが強いと言われるインドの方ともお話してみたいなと思います。

 (数は少ないですが、何人かいらっしゃるようです)

 

また、(おそらく講師側の)ネット回線の状態が悪い場合もあるのですが、聞きづらいときは接続の悪い電話会議通訳の練習と思って正確に理解できるように気を付けるようにしています。

 

なまりが強かったり、話し方早かったりする講師もいらっしゃいますが、そういうときは難易度の高いスピーカーの通訳練習と思うようにしています。

また、私自身まだ経験したことはありませんが、口コミを見ると中には態度が横柄だったり、言いよどむと明らかに馬鹿にした態度を取る講師もいらっしゃるようです。

 

通常そういう人は避けるのが定石ですが、通訳の仕事ではそりの合わない・通訳者にやたらと厳しい目を向けるクライアントやスピーカーの担当をすることもたくさんあると思います。

 

どんな状況でも普段通りのパフォーマンスを行う練習をするため、今後は敢えてそういう評判の方を時々指名してみたいと思います(自分のメンタルがやられない程度にですが)

 

・・・いろいろ書きましたが、結局、英会話に限らず、自分の目標に一番近づける方法を考えることが大切かもしれませんね。

何を言おうと継続しないことには話にならないので、いろいろ試行錯誤しながら続けたいと思います。

DMM英会話活用法(1)

DMM英会話は安価に毎日レッスンが受けられますが、ぼんやりと講師の言うことを聞き流すだけでは効果が薄いと思います。

受講する上で、私が気を付けていることをいくつかご紹介したいと思います。

 

(1)受講目的を明確にした上でレッスン形態を選ぶ

DMMでは、「フリートーク」かDMMオリジナル教材を使った授業にするかを選ぶことができます。教材は、日々のニュースや文学、レベル毎の会話練習など様々です。

(DMM教材ページ)

https://eikaiwa.dmm.com/app/materials/en

 

私はレッスンを通じて、自分がいつまでにどうなりたいかを具体的に考えてから希望するレッスンの形態を考えました。

 

私の目標は、2020年中にHardTalkの超辛口MC、スティーブン・サッカにガンガン英語で攻め込まれても(のらりくらりと屁理屈をこねながら)議論し続けることができるような高い英語運用能力を身につけることです。

(HardTalkについては過去の記事に書いています)

 

その目的に一番近づけそうな、「ディスカッション」と「デイリーニュース」という教材を中心にしばらく使ってみることにしました。

 

(2)予約時に何をしたいかを講師に伝えておく

ディスカッションやデイリーニュースは、短い記事とそこに出てくる単語が掲載されています。指定をしなければ、

1. 単語の意味・文例を講師の後に続いて音読する

2. 記事を講師の後に続いて音読する

3. 内容についての質問に答え、ディスカッション練習の質問に沿って議論する

という形式で行われます。

 

ただ、1と2ははっきりいって自分でもできるので、私は予約時に必ず「自分で単語と記事は読んでおくから、質問・ディスカッションから始めたい」とフリーコメント欄で伝えるようにしています。

 

また、講師が教材の「予習」ができるように、その日にやってほしい記事のタイトルまで指定しています。

(例:I'd like to try "Study Finds Tea Drinkers Have Healthier Brains" in Daily News)

(どの教材にしたいか書いていなかったら、先生も読んだことがない記事だったようで少し戸惑われていたため)

 

ここまで伝えると、講師にも「あ、この人本気だ」と思ってもらえることが多いような気がします。

(予約時のメッセージを読んでいない方もいましたがw)

 

(3)時間を決めて予習・復習

せっかくのレッスンですが、やりっぱなしにするよりは短い時間でも予習・復習をしたほうがよいと思います。

私は、予習10分、復習5分と決めて取り組むようにしています。

 

予習は、単語・記事を音読し、ざっと質問・ディスカッション演習を見て時間があれば答えを考えておきます。

復習は、DMM英会話入会者が無料で利用できる英語学習アプリiKnow!でその日の記事に出てきた単語クイズをしています。

また、余裕があればレッスン中にうまく言えなかったことをどう言えばよかったか考えるようにしています。

 

もちろん、全てはできない時もありますが、予約の時に「自分で単語・記事は読んでおく」と書いてハードルを上げるのは結構効果的な気がしますw

 

いろいろ書いていたら長くなったので、また新しい記事に続きを書きたいと思います。 

DMM英会話に入会

最近、初めて英会話のスクールに入会しました。

通訳のスクールには通っていたものの、英会話スクールって永遠に「ハロ~、ハワユ~」的な初歩的な会話しか学べずにぼったくられるイメージがあり(完全に偏見です・・・)、通ったことがありませんでした。

 

ただ、自分の会話力がどのくらいあるのかなぁというのは時々疑問には感じていたのです。

正直なところ、英語で自分の言いたいことを母国語と同じレベルで話すのは未だに難しいと感じます。

 

通訳は基本的に相手が言った内容についてのみ、英語または日本語で語りますが、自分が主体となって英語で相手と会話するというのはまた微妙に異なるスキルが求められるような気がします。

 

何よりも、通訳を名乗っていて普段の会話もままならないとかっこ悪いですよね(恥)

 

・・・と感じていたところ、いつもお世話になっているオンライン通訳レッスンのグリンズアカデミーで、受講生の方にDMM英会話を勧めていただいたため思い切って入会してみました。

 

DMM英会話はオンラインでフィリピンを中心とする外国人講師に英会話を学ぶことができます。

私が入会した一番安いプラン(税込み6,480円/月)でもオンラインで25分のレッスンを1回ずつ毎日受けることができるんです。

 

それってけっこうすごくないですか?(←今更)

 

ネイティブスピーカーの講師に学ぶ場合は倍以上の値段でしたが、毎日受けられることを考えればそれでも安いと思います。

 

すでに一週間ほど受講しましたが、今のところすごく満足しています。

ただ、効率よく学ぶには受講する側の工夫が必要と感じています。

まずは継続が大事ですが、漫然とフリートークを続けるだけではあまり成長が感じられないかもしれません。

 

受講に当たり、いくつか気を付けていることを次にご紹介したいと思います。

子どもの誕生日会

仕事とは全く関係ないのですが、子どもが最近4歳になりました。

今日は子どもが通っている園で誕生日会があり、親も招待していただき一日子どもと園で過ごしました。

 

皆にお祝いをしてもらい、子どももとても嬉しそうでした。

 

子どもの通う園は先生が手厚く配置されているのが特徴で、今は子ども2人に先生が1人います。

来年度は子どもの数が増える予定なので少し状況は変わりますが、通常の幼稚園や保育園は20人に1人とか、年長になると30人に1人くらいしか先生がいないのが当たり前なので、それでも非常に恵まれています。

 

先生だけでなく、栄養士の先生やバスの運転手さんまで子どもたちを慈しみ大切にしてくれるのがよく伝わるので本当にありがたいです。

今年の4月からお世話になっている園ですが、1年足らずで子どもたちの成長を感じました。

 

最初は園外に脱走する子がいたり(うちの子を含む)、泣いて活動に参加できない子がいたりしましたが(主にうちの子)、今では皆がきちんと先生の指示を守り穏やかに活動に参加していました。

驚くほどおしゃべりが上手になった子も多く、見ていて励まされました。

 

ただ、今の園は預かり時間も約6時間と短く延長預かりがないので仕事をする上では非常に苦労しています。

昨年度までは保育園に入れていたので昼間は好きなだけ仕事ができたのですが、今はこなせる仕事量がかなり減ったのでもどかしく感じることも多くあります。

 

とはいえ、子どもにとってはこれ以上にない素晴らしい環境の園なので、小学校に入るまでは通わせたいと思います。

私も、短い時間で効率的に仕事ができるようにならないと。

子どもに負けず、私も成長できるようにがんばります。

Trados Studioの購入

翻訳者、特に産業翻訳者は多くの場合、何らかのCAT(Computer Assisted Translation)ツールを使う必要に迫られます。

絶対に使わない!という方もいるようですが(特に大御所の方)、クライアント・翻訳会社からCATツールの使用を指定されることも多いので、これから産業翻訳に参入しようという方はほぼ使わざるを得ないと思います。

 

現時点では、Trados Studioが一番メジャーなツールだと思います。

Memsourceがものすごい勢いでシェアを増やしているという話も聞くので今後どうなるかは分かりませんが)

 

翻訳会社に登録する際は、ほぼ必ず使えるCATツールを聞かれます。

Trados持ってる?使える?と聞かれることも多いので、Tradosに対応できると仕事を受注できる可能性が高まります。

 

ただ、フリーランスだとTradosは自腹で購入する必要があります。

(Memsourceは、翻訳会社から案件を受注する度にライセンスを貸与してもらえるので翻訳者は購入不要です)

購入するのであれば、急なPCの故障に備え、2台分のライセンスが付与されるFreelance Plusがお勧めです。

しかも、今なぜか1台分のライセンスよりもPlusの方が安いし!

SDL Trados Studio)

https://www.sdltrados.com/jp/store/

 

私自身は、上記のTrados販売元のSDLサイトではなく、Proz.comのTranslator Group Buyから購入しました。Proz.comは世界の翻訳者が集う情報サイトで、求人や各種コンテストなども行われています。

 

ここに、Proz.comがまとめてライセンスを購入することで安価に販売してくれるシステムがあり、これで買うのが一番安いのではないかと思います(もっと安いのがあったらすみません)。

また、日本円ではなく、ドルまたはユーロで購入する方が現在のレートだとお得なようです(私は知らずに日本円で買ってしまいましたが)・・・。

 

無料で会員登録するとBuyerリストにサインアップできるようになるので、興味があればサイトをご覧ください。

現時点で、Tradosの購入枠はすでにいっぱいになっていますが、毎月のようにサインアップを募っているのでお知らせメールなどを気を付けて見ておくとよいと思います。

https://www.proz.com/tgb/

 

今見たところ、無料eLearning付きのSDL Trados Studio 2019が459ドルで販売されていますね。日本円で約50,550円なのでSDLから買うよりも安いと思います。

ただし、お勧めのPlusではなくライセンス1台分のみの販売です。

私はProz.comで購入した後、SDLが年末セールをしていた時に12,000円でPlusアップグレード機能を追加で購入しました(通常価格は20,000円でした)。

 

まぁ、今はSDLサイトでPlusが安くなっているので、初めからSDLサイトでPlusを買ってもあまり変わらないかもしれません。

とはいえ、Proz.comはGroup Buyだけでなくお仕事情報も充実しており、実際にここで仕事を見つけたという方も多いようなので、興味があればぜひご覧ください。

レファレンス共同データベース

最近、「レファレンス共同データベース」なるものを発見しました。

国立国会図書館が全国の図書館等と協同で、来館者から寄せられた質問やその回答方法、調べ方などをデータベース化したものです。

 

(トップページ)

https://crd.ndl.go.jp/reference/

 

いろんな質問があり、見ているだけで楽しめます。

どんな質問にも、全国の図書館司書さんたちが全力で回答していることがよく分かります。

 

法王が着用している白くて小さな帽子の名前は何ですか。

https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000196402

考えたこともなかった・・・。

 

サンタクロースの橇を引いているトナカイの名前は何というか。

https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000012300

「サンタクロース学入門」なる本があるんですね。

 

このインターネットのご時世に、わざわざ図書館にこまごました質問をしに行くという発想がなかったのですが、下手に怪しいネット情報を調べるよりも確かな回答が得られそうです。

 

翻訳の調べ物などにも役に立ちそうです。

(活用法)

https://crd.ndl.go.jp/jp/library/usage.html

 

全国の図書館司書さんたちの英知が詰まったこのウェブサイト、ただ閲覧するだけではなくぜひ活用したいと思います。

それ何?(2)

 前回の続きです。

 

ゴーン氏逃亡についてのニュースを分析し、前回はred noticeについて調べてみました。

Interpol issued a red notice Thursday for former Nissan car company chairman Carlos Ghosn. The notice is a request to law enforcement agencies around the world to arrest a wanted person.

 

(2)law enforcement agencyとは

今回、一番くせ者だったのがこの言葉です。

和英辞書を串刺し検索すると、「法執行機関」(ウィズダム和英辞典)「(米)法執行機関《警察・FBI・CIAなど》」(オーレックス英和辞典)と出てきました。

 

でも「法執行機関」って何?

大体、法を執行しない公の機関ってあるのかな??

 

今度は国語辞典で「法執行機関」を串刺し検索しましたが、まったくヒットしません。

「執行機関」ならたくさん出てきましたが、主要辞書は「法執行機関」という言葉を常用語として認識していないようです。

 

じゃあ、結局なんやねん。

 

AFP通信はred noticeの説明としてa request to law enforcement 」と書かれており、law enforcementの日本語は「警察」としていました。

 

An Interpol “red notice” is a request to law enforcement across the world to provisionally arrest a person pending extradition, surrender or similar legal action. It is not an arrest warrant.

 

「赤手配書は、送還や身柄引き渡しなどの法的措置が取られる可能性のある人物について、暫定的に身柄を拘束するよう各国警察に求める文書で、逮捕状ではない。」

https://www.afpbb.com/articles/-/3261927

 https://www.france24.com/en/20200103-ghosn-to-be-heard-in-lebanon-as-japan-turkey-probe-escape  

 

BBCでは、red noticeの説明として「a request to police」と書かれており、policeは日本語で「警察機関」と訳されていました。

An Interpol "red notice" is a request to police across the world to provisionally arrest a person pending extradition, surrender or other similar legal action.

 

ICPOの「赤手配書」は、各国の警察機関に対し、身柄引き渡しや同様の法的措置を目的として被手配者の仮逮捕を要請するものだが、」

https://www.bbc.com/japanese/50980183

https://www.bbc.com/news/world-europe-50972149

 

メディアでの紹介や、そもそもこれはゴーン氏の国際手配についての記事であることを考えると、このlaw enforcement agencyは「警察」と考えた方が良さそうですね。

てなことをtwitterでつぶやいたところ、検察も含む「捜査機関」などとした方が良いのでは、というご意見もいただきました。なるほど。

 

現場でlaw enforcement agencyが出て、具体的にどの機関を指すのか分からない場合は、なるべく意味を広く取れる「捜査機関」や場合によっては「関係当局」などと対象を広げて後の情報を待った方が良いかもしれません。

 

今回の文章はそれほど難解なものではありませんが、訳し方に工夫がいる好例だと思います。

たとえ辞書やネットでヒットする訳語でも、オーディエンスがきちんと理解できるかどうかはまた別問題です。

 

ついつい既訳や辞書に出ている言葉だと安易に納得・流用してしまいがちですが、「それ何?」と敏感に感じ取るアンテナは常に張っておきたいものですね。